まずは学校説明会のごく一般的な流れ、内容について簡単に説明してください。 |
大住 最初に校長が壇上に立たれて理念や校風、理想とする教育観のようなものを語ら
れ、その後、教頭あるいは入試担当の先生が出られて現状の学校生活、生徒の様
子等を報告されます。そして最後が募集内容の説明。これがごくオーソドックスな学
校説明会の流れです。大学の合格実績などは、その流れの中で適宜、盛り込まれ
る形になりますが、それを”目玉”とする進学校では、あらゆる部分でその話題にふ
れてきます。
古本 説明会に校内見学を盛り込んでいる学校も多いですね。したがって、説明会は学
校の施設・設備や内部の雰囲気をチェックするチャンスとなります。所要時間はだい
たい1時間ちょっと。長いところで2時間というところでしょう。
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初歩的な質問ですが、そのような学校説明会に参加しなければならない理由とは? |
内田 実際に自分の目で見て、耳で聞いて、その学校でどんな教育が行われ、どんな成
果が上がっているのかを、学校側にじかに聞き、わが子に対して抱いている夢みたい
なものをどの程度、実現させてくれる学校なのかを判断する機会 それが学校説明
会です。
大住 これだけ情報があふれている時代なので、学校の内容に関してある程度のことはす
でに頭に入っているでしょうが、”フィーリング”が合うかどうか、ということも大切だと思
います。以前、私の塾で第一志望と心に決めていた学校の正門をくぐるや否や、「イヤ
だ!」といい始めた子がいました。学校までの通学路の様子や学校自体のムードを実
際に見て、自分には合わないと強く感じたようなのです。子どもとは非常にナイーブな
存在であり、やはり一度、学校の雰囲気に肌でふれさせておくべきだと思います。
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説明会には、子どもも連れて行ったはうがよいのでしょうか。
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永瀬 可能な限り、同伴させるべきですね。今の話と似たケースは、私の塾でもなん度かあ
りました。とくに女の子は、頭の中でその学校に対するイメージだけをふくらませたり、
友だち同士の会話だけで、第一志望を決めてしまう、ということがかなりあるようです。
ぜひともじかに見せておきたいですね。
古本 それはお母さま方についてもいえることでしょう。受験仲間の間では、学校に関する
さまぎまな”うわさ話”が飛びかっているはずです。そうしたもので学校を判断するので
はなく、うわさをふまえた上で説明会に参加し、そのクチコミの情報の真偽をただすと
いう姿勢が必要になってきます。「某有名付属校には、実はかなり不良っぽい生徒が
いる」といううわさがあれば、説明会に参加がてら、通学路や学校内部で在校生たちの
服装や態度を、それとなくチェックしてみるという具合に。
内田 ただ中には「クサイものにはフタ」という姿勢で対応してくる学校もありますからね。説
明会の時間と生徒が学校にいる時間を微妙にズラし、参加者との接触を断ってしまうと
いう作戦で(笑)。生徒の様子をチェックする機会に、恵まれないこともあります。
古本 以前、ある女子校の説明会で、校長は、うちは人に会ったら「ごきげんよう」、帰ると
きも「ごきげんよう」などと、生徒の礼儀正しさをアピールしているのに、その直後、授
業が終わってドカドカと校舎を出てきた生徒たちに、先生が「コラーッ、今日は客がき
てるんだぞ!」と、どなっている光景に出くわしたことがあります(笑)。
大住 そのあたりをうまく”調整”して説明会を実施している学校は、いくらかポイントを下げ
て判断したほうがいいかもしれません。
内田 ”調整”しない学校は、自分の学校の生徒に対して自信を持っている、ということです
からね。でも中には、そこまで気が回らないため、結果としてノーガードという学校もあ
るので、油断できない(笑)。
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